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生成AIの活用具体的な進め方を知る

社内問い合わせに生成AIを活用するには

社内の質問に答えるAIを考えるとき、最初に選ぶのは製品名ではありません。実際の質問と、その答えの根拠を一組にします。そのうえで、資料を渡す方法、更新の仕方、利用者の違いを考えると、必要な環境が見えてきます。

資料AI確認SOURCE → KNOWLEDGEC.ELEGANCE / CLARITY IN PRACTICE
社内の知識を、根拠を確かめながら使う。

青葉サポートの社員、鈴木さんは仕事で使う追加モニターを買いたいと考えています。備品担当に同じ質問がよく来るので、会社ではAIでの案内を検討しています。

答えるには、青葉サポートの現行規程を読む必要があります。一般的な買い方では答えられません。まず必要な原文を用意し、誰が読んでよい資料かと、誰が購入を承認するかを分けて考えます。

このページでわかること

  1. 社内の決まりに答えるには、その会社の現行資料を根拠にする。資料にない条件は補わない。
  2. どの版の資料を使うか、誰が読めるかを先に決める。
  3. 使う資料の量と更新、利用者の違いから、管理できる構成を選ぶ。案内と申請・承認は別の役割。
01

社内問い合わせAIの準備:質問と根拠資料をそろえる

鈴木さんへ答えるため、備品担当は次の現行規程を用意しました。下の図では「購入前」と「所属長の承認」の二つを探してください。この二つが、質問への答えを決める条件です。

図解 01

会社の決まりの、どの言葉が答えを決めるか

寄せられた質問「鈴木さん:「1万5千円の追加モニターが必要です。先に買って、あとで申請してもよいですか?」」

青葉サポートの現行規程(架空)

「追加モニターを希望する場合は、購入前に備品申請フォームへ、品名・金額・利用目的を記入し、所属長の承認を受けてください。」

原文に沿った回答例

「規程では、購入前に備品申請フォームで申請し、所属長の承認を受ける必要があります。先に購入してよいとは書かれていません。品名・金額・利用目的を記入して申請してください。1万5千円なら認められるか、例外があるかは、この規程だけでは判断できません。」
原文にあるので答えられる
申請は購入前。品名・金額・利用目的を記入し、所属長の承認を受ける。
原文にないので決められない
認められる上限額や、事後申請の例外。必要なら備品担当へ確認する。

ここからわかること「一般的にはどうか」ではなく、「この会社の資料から何が言えるか」を確かめる。

すべて架空の質問・規程・回答例です。「購入前」「所属長の承認」が回答に残っているか、原文にない金額条件を加えていないかを見てください。

この章の要点必要な資料と正しい答えを一組にすると、環境を選ぶ前に完成条件がわかります。

背景と具体例を読む

AIには、この規程を使って説明の案を作ってもらいます。回答が案内できるのは、購入前に申請し、承認を受ける手順です。「1万5千円なら承認される」とは、この原文からは判断できません。

社内資料を使う意味は、AIに一般的な話をしてもらう代わりに、自社の決まりへ結びつけることです。まずこの一組で、担当者が「何を言えれば正しく、何を言うと誤りか」を説明できる状態にします。

02

社内規程の最新版と、AIが参照する資料を一致させる

青葉サポートには、購入後の申請を案内した旧規程も残っていたとします。下の二つの例は、同じ質問に、別の版を根拠にして答えた場合です。文章の作り方より前に、どちらを使ったかで結論が変わります。

図解 02

質問は同じ。変わったのは、根拠にした規程

旧規程を使った場合の説明

旧規程:「追加モニターは購入後、領収書を添えて備品申請フォームから申請してください。」 → 説明:「購入後に領収書を添えて申請してください。」
  • 旧規程の内容としては合っている
  • 現在の購入手順の案内には使えない

現行規程を使った場合の説明

現行規程:「購入前に備品申請フォームへ、品名・金額・利用目的を記入し、所属長の承認を受けてください。」 → 説明:「購入前に申請し、所属長の承認を受けてください。」
  • 現行の手順を案内している
  • 金額による可否は別途確認が必要

ここからわかること資料に忠実な説明でも、使った版が違えば、業務では誤りになる。

架空の版の比較です。旧版と現行規程の「購入後/購入前」を見比べてください。AIの実測出力や、実在する会社の規程ではありません。

この章の要点正しい回答の前提として、現行の資料を選べる状態をつくります。

背景と具体例を読む

そのため、資料をまとめて渡すだけでは足りません。どれが現行か、いつから適用するか、誰が更新するかを決めます。備品担当が規程を変えたら、AIが参照する資料も差し替える必要があります。

引用やリンクが付いていても、古い資料に基づいていれば現在の案内としては誤りです。答えの文章を直すだけでなく、答えの元を確認する習慣をつくります。

03

利用者の閲覧権限に合わせて、AIに渡す資料を制限する

今回の申請方法は全社員が読めるものとします。一方で、青葉サポートの管理用の資料には、所属長の承認待ち一覧や、備品担当が持つ全社の購入履歴もあります。ここで示す役割も架空の設定です。

青葉サポートで、資料ごとに読む人を分けた架空例です。
資料読むことができる人今回の鈴木さんの質問に必要か
備品申請の方法全社員必要。購入前の申請手順を案内する
所属部署の承認待ち一覧担当する所属長不要。鈴木さんへの手順説明には加えない
全社の購入履歴備品担当不要。ほかの人の購入情報を出さない

この章の要点誰が利用するかによって、使ってよい資料も変わります。

検索をつなぐ場合に、技術担当へ伝えること

原本の閲覧権限を、検索する仕組みでも守る必要があります。資料を検索用に複製するなら、その複製にも原本と権限の対応を持たせます。利用者が異動したり権限を失ったりした場合の反映も確認します。

Microsoftの公式設計資料では、文書の権限情報と利用者に応じ、検索で返す資料を絞る方法が説明されています。使いたい製品や資料保管先で何を実現できるかは、個別に確認します。

背景と具体例を読む

鈴木さんへの回答には申請方法があれば足ります。質問に似た言葉が含まれるからといって、ほかの社員の購入履歴まで材料に加える必要はありません。「役立ちそうな資料」と「その人が読んでよい資料」は分けます。

多数の資料から検索する仕組みを使うなら、利用者の権限に合う資料だけを回答の材料にできるか確認します。AIへの「秘密を答えないで」という指示だけを、資料の閲覧制限の代わりにはしません。

関連する公式資料:Microsoft Learn:Document-level access control in Azure AI Search

04

資料添付・RAGなど、業務に合うAI利用環境を選ぶ

資料が正式な規程であることと、外部サービスへ渡してよいことは別です。入力・添付資料の保存、学習への利用、共有範囲を担当者が確認し、実際の規程を使ってよいサービスとアカウントを決めてから試します。

図解 03

何をしてほしいかで、使う構成を選ぶ

自社でAIに手伝ってほしいのは、どの場面ですか?

01その場で渡す情報だけで文章を整えられる

会社で許可したチャットで試す

継続的に社内資料を探す必要がないため。

最初にすること入力してよい情報と完成版の見本を用意する。

02使う規程を担当者が選び、差し替えも管理できる

選んだ資料を参照してもらう

今回どの原本を使ったかを明確にできるため。

最初にすること現行資料と確認用の質問を一組用意する。

03資料が多く、利用者ごとに読める範囲も違う

権限に応じた資料検索を検討する

毎回人が探す負担を減らし、許可された資料から答えるため。

最初にすること原本の持ち主、閲覧権限、更新の方法を整理する。

04案内に加えて、申請の登録まで進めたい

操作する連携を別に設計する

答えることと、登録・承認することは権限が違うため。

最初にすることどの操作を誰の権限で行い、実行前に何を確認するか決める。

ここからわかること必要な機能を増やすより、仕事に必要な条件を満たし、維持できる構成を選ぶ。

同じ会社でも仕事ごとに構成を選べます。自社の「資料を選ぶ負担」「更新」「読む人の違い」に近い条件を見てください。製品の性能ランキングではありません。

この章の要点資料をどう探し、誰に渡す必要があるかが、環境を選ぶ理由になります。

数枚の規程で試す場合:準備するものと、AIへの依頼文の例

青葉サポートが「選んだ資料を参照してもらう」方法を試すなら、次のように準備します。製品によって設定名は違いますが、担当者が確認する内容は共通して整理できます。

依頼文の例:「添付した現行の備品申請手順だけを根拠に、社員の質問への回答案を作ってください。回答は、手順の説明、根拠になる原文、資料に書かれていないことに分けてください。金額上限や例外を推測せず、購入や承認が完了したとは書かないでください。」

この依頼文だけで正しさを保証することはできません。次の章の質問を実際に試し、原文と回答を担当者が照合します。共有や権限を指示文だけで制限せず、サービス側の設定でも確かめます。

少数の規程を使う試行環境の例
準備するもの青葉サポートでの設定・確認例
利用する場所会社が入力を認めたサービスと会社用アカウント。保存・学習利用・共有の設定を管理者が確認する。
参照資料備品担当が確認した現行規程だけを用意。文書名・更新日・管理者を記録し、旧版を混ぜない。
AIへの依頼上の依頼文と社員の質問を渡す。回答案と根拠を並べて出す形式を決める。
利用者と確認者最初は備品担当の試行に限定。社員へ返す前に、人が原文と条件を確認する。
変更時の作業規程が変わったら参照資料を差し替え、同じ質問を再度試す。変更を知らせる人と差し替える人を決める。
背景と具体例を読む

ここまでの例が数枚の規程で成立し、その環境へ渡してよいことも確認できたなら、使う資料を選んで渡す方法を検討できます。備品担当がどの版を渡したかを把握し、変更時に差し替えられることが条件です。はじめから大規模な検索の仕組みが必要とは限りません。

資料が多く、人によって読める範囲が違い、毎回必要な資料を選ぶのが大変なら、資料を探して回答へ渡す仕組みが候補になります。このような検索と生成を組み合わせる構成を、RAGと呼びます。名前から選ぶのではなく、探す負担を減らす必要があるかを考えます。

下の選択肢は、上から順に進む導入手順ではありません。仕事によって必要な構成が違います。検索を増やす場合は、資料の更新と権限もその仕組みで維持できるかを一緒に確認します。

関連する公式資料:Microsoft Azure Architecture Center:Design and develop a RAG solution

05

社内問い合わせAIの回答を、誤りやすい質問でも検証する

最初のモニターの質問に正しく答えられたら、少し条件を変えて試します。たとえば、原文にない上限額を聞く、旧規程を一緒に置く、利用者が読めない資料について聞く、といった場合です。

架空の現行規程を使う場合の確認例です。実測結果ではなく、期待する答えを書いています。
試す質問・条件期待する答えや動き見つけたい間違い
「先に買って、あとで申請してよい?」購入前の申請と所属長の承認を案内する購入後でもよいと説明する
「上限は3万円ですか?」この規程には上限の記載がないと伝える根拠なく上限額を決める
旧規程も同時に置く現行の購入前申請を案内する古い版を現在の手順として説明する
一般社員が、ほかの人の購入履歴を尋ねる許可された範囲だけで答える閲覧できない履歴を材料にする

この章の要点正しい一例と、間違えやすい例の両方を持つと、何を直すかがわかります。

背景と具体例を読む

下の表は、何を質問し、どんな答えならよいかの見本です。担当者がこの期待を先に書いておくと、「流暢に答えたから合格」という確認を避けられます。

誤りがあったら、原本は正しいか、必要な箇所を参照したか、回答に条件が残ったかを順に見ます。規程の情報が欠けていれば備品担当へ、古い版を使っていれば資料の選び方へ、原文にない条件を足したなら回答の作り方へ戻ります。

使い始めた後も、規程が変わったら同じ質問で確かめます。原本の更新を知らせる人と、参照する資料を更新する人を決めておくことが、使い続けるための準備です。

関連する公式資料:Microsoft Learn:Retrieval-augmented generation evaluators

06

AIの回答・申請処理・人の承認を分けて設計する

今回の回答ができれば、鈴木さんは購入前に申請が必要だとわかります。ただし、モニターの購入はまだ承認されていません。AIによる案内、申請フォームへの登録、所属長の承認は、それぞれ別の仕事です。

この章の要点答える役割と、業務を実行・承認する役割を分けると、どこまで任せるかを説明できます。

業務システムへ連携するときの確認

実行する操作、対象、入力する値、利用者の権限を検証する必要があります。外部への送信や確定など、影響に応じて実行前の確認も設けます。

通信が途切れたときの二重登録を防げるか、実行が成功したかを確認できるか、失敗時に人へ戻せるかも要件です。OpenAIの公式資料も、自動検査と人の承認を区別し、操作が影響を生む場所での検証を説明しています。

背景と具体例を読む

申請まで手伝うなら、品名、金額、利用目的が合っているかを鈴木さんが確認し、既存の申請先と権限を使います。承認は、会社が定めた担当者が行います。回答文に「申請しました」と出ることだけを、登録完了の証拠にせず、申請システム側で結果を確かめます。

まずは案内が正しく、問い合わせの負担が減るかを確かめるだけでも構いません。その先の登録を連携するかは、追加で減る作業と、確認・管理する負担を比べて決めます。

自社での最初の一歩も、今回と同じです。よく聞かれる質問を一つ、承認済みの原文を一つ、確認する担当者を一人決める。その一組で答えを確かめてから、使う資料と利用者の範囲を広げます。

関連する公式資料:OpenAI Docs:Guardrails and human review

07

既存ツールと専用構築を、運用条件で比べる

環境の選択は、使いたいAIの名称より、資料の場所・閲覧権限・更新頻度から考えます。まず少数の質問で検証し、専用の連携が必要か判断します。

選択肢確認する適合条件見落としやすい負担
既存の業務ツール既存資料と権限をそのまま扱えるか契約範囲・管理設定・教育
小さな専用試行限定した資料と質問で評価できるか資料整理・評価用質問の作成
システム連携・専用構築業務固有の権限や引き継ぎが必要か連携開発・監視・更新・障害対応

この章の要点回答精度の試験と運用責任者を決めてから、構築範囲を広げる。

社内問い合わせAIを準備するときの確認事項

  • 実際の質問と、答えの根拠になる原文を並べる。
  • 現行の資料と、利用者が読んでよい範囲を確認する。
  • 資料の量と更新に合う構成を選び、案内と実行を分けて試す。

社内問い合わせAIの要件シート

回答できる範囲、参照資料、権限、人への引き継ぎを決める。

点検項目と記入例を見る
記入する項目考えるための問い
答える質問と対象外最初に扱う質問を限定する
正しい参照資料最新版・管理者・失効日
利用者と閲覧権限部署・役割ごとに確認
試験する質問正答・答えないべき質問・例外
人への引き継ぎ不明・矛盾・権限外の対応先
更新と総費用利用料・連携・監視・改修

例:規程の原文を表示し、情報がない質問は担当者へ案内する設計を試す。

登録不要。CSVは表計算ソフトで記入できます。個人情報・機密情報は記入せず、社内の管理ルールに従って保管してください。

生成AIによる社内問い合わせ対応を説明する無料資料

追加モニター申請の社内問い合わせを題材に、根拠の確認、人とAIの役割、時間の比較、環境、試行、社内提案を説明する資料。

同じ社内質問への回答を
AIで手伝う。追加モニターの申請を例に、任せる仕事と確認する仕事を考えます。

登録不要。仮想の数値例と出典を含みます。社内共有・追記の際は、前提と適用範囲の記載を残してください。

資料の全ページをテキストで読む

01

同じ社内質問への回答を AIで手伝う

追加モニターの申請を例に、任せる仕事と確認する仕事を考えます。

この資料の対象

生成AIの社内導入を説明する資料

内容

C.elegance

説明するときの補足

この資料は、社内の担当者が同じ手続きの質問に何度も答える場面から始めます。生成AIができることの一覧より先に、一つの業務でどの部分を手伝わせるかを説明します。登場する青葉サポートと規程は架空です。時間や予算も説明用の仮定であり、導入効果の予測ではありません。

02

「モニターを先に買ってもよいですか?」

担当者はその都度、手順書を探し、条件を確認して回答しています。

場面の言葉

「1万5千円のモニター。 先に買って、あとで 申請してもよい?」

場面の説明

青葉サポートの鈴木さんから、備品担当へ届いた架空の質問。

毎回の調査と回答案づくりを、AIで手伝えるかを考えます。

説明するときの補足

絵の担当者が、質問を受けてから送信するまでを思い浮かべてください。答えの文章を書く時間だけでなく、正しい手順書を探す時間と、質問者の条件を確認する時間があります。生成イラストは業務を説明するための挿絵で、実在社員の写真や実績を示すものではありません。

03

回答の根拠は、社内の手順書にある

質問に答えるには、規程と質問者の条件を照合します。

根拠の文書

現行の架空規程(管理:備品担当)

文書の原文

追加モニターを希望する場合は、購入前に備品申請フォームへ、品名・金額・利用目的を記入し、所属長の承認を受けてください。

質問

鈴木さん:「1万5千円の追加モニターが必要です。先に買って、あとで申請してもよいですか?」

AIに聞くだけで正しい社内手続きが分かる、という前提は置きません。

説明するときの補足

表示した原文を読み、「購入前」「所属長の承認」がどこに書かれているかを指してください。一方、金額の上限や例外の可否は書かれていません。AIが一般的に知っている申請方法と、自社の承認済み手順は同じではありません。備品担当が現行版を管理します。社員10人の業務改善支援会社・青葉サポートの架空例で、実在する規程ではありません。

04

自然な文章でも、確約してよいとは限らない

条件や根拠が足りないときは、確認へ戻す回答が必要です。

左の例

根拠を確認しない回答の例

1万5千円なら、 購入後の申請で大丈夫です。 領収書を添えて申請してください。

理由

未記載の金額条件を補い、旧版の「購入後」の手順で答えている。

右の例

確認する回答の例

購入前にフォームで申請し、所属長の承認が必要です。 金額上限や例外は、この規程だけでは分かりません。

理由

現行規程の条件を示し、書かれていない条件を補わない。

文章の上手さだけでなく、根拠と条件が合っているかを見ます。

説明するときの補足

左右は作成した回答例で、製品の実際の出力ではありません。現行規程に金額上限はなく、購入前の申請と所属長承認を求めています。旧版は「追加モニターは購入後、領収書を添えて備品申請フォームから申請してください。」という架空の対比例です。正しい回答の全文例は「規程では、購入前に備品申請フォームで申請し、所属長の承認を受ける必要があります。先に購入してよいとは書かれていません。品名・金額・利用目的を記入して申請してください。1万5千円なら認められるか、例外があるかは、この規程だけでは判断できません。」です。

05

AIが案を作り、人が判断して送る

同じ回答業務でも、任せる部分と引き受ける部分を分けられます。

AIに任せる作業

AIに手伝わせること

確認すること

質問の要点を整理する

指定した手順書から回答案を作る

人が確かめる作業

担当者が引き受けること

確認すること

根拠・対象条件・日付を照合する

判断が必要な例外を扱い、回答を送る

共有する内容

備品担当が現行規程を管理し、所属長が申請を承認する。

AIの回答案を、そのまま自動送信する試行にはしません。

説明するときの補足

この図は役割分担を左右に並べています。AIから人へ責任が自動で移るわけではありません。人が送信前に何を確認するかを決め、例外は権限のある担当者が判断します。利用環境が参照した文書を示せる場合も、その箇所と回答が一致しているかを確認します。

06

速さは、確認と修正を含めて比べる

この社内問い合わせの仮定では、1件12分が8分になります。

比較する作業

いまの作業
合計時間

12分

時間の内訳

調べる5分
所要時間(分)

5

書く4分
所要時間(分)

4

確認3分
所要時間(分)

3

AIを使う案
合計時間

8分

時間の内訳

生成2分
所要時間(分)

2

確認・修正6分
所要時間(分)

6

図の読み方

横棒の長さが時間。AIを使う案にも、確認と修正の6分を含めています。

確認が10分かかれば合計12分となり、この例の時間差はなくなります。

説明するときの補足

これは追加モニター申請などの社内問い合わせを説明するための時間の仮定です。別業務である会議メモの30分から20分という例とは混ぜません。生成2分には操作と待ち時間を含め、確認6分には根拠照合と修正を含めます。実際には同じ範囲の仕事を数件測り、手戻りも記録します。

07

100件で、6時間40分の作業時間差

1件4分の差が100件で400分。評価・更新に使う時間を引く前の計算です。

計算例

4分 × 100件 = 400分 400分 = 6時間40分

余力の使い道

空いた時間で何を進めるか 回答待ちの案件への対応や、古い手順書の更新に使う。

余力ができても、その分の給与支出が自動的に減るわけではありません。

説明するときの補足

4分の差が100件で400分、6時間40分になることを説明する計算です。利用対象が100件あることや、毎回4分減ることを保証するものではありません。実際に残る余力は、文書更新や定期評価などの追加時間を差し引いて確認します。余力をどの仕事へ使うかも決めます。ライセンスや設定・評価の費用は別途かかります。

08

仕事の資料を扱える環境を選ぶ

個人が使い始める前に、会社で次の点を確認します。

確認すること

その資料を入力してよいか

契約条件や学習利用、保存の設定を、会社が確認する。

誰が使い、誰が共有できるか

会社のアカウントと権限を管理する担当者を決める。

変更や退職のときに戻せるか

資料の削除、共有解除、アカウント停止の手順を決める。

有料であることだけでは、業務の情報を扱ってよい根拠になりません。

説明するときの補足

ここでは製品名や価格のランキングを示しません。自社が扱う情報に対し、契約と設定で何ができるかを確かめます。学習利用や保持期間は契約形態で異なるため、公式資料と管理画面で確認します。管理者と文書所有者を決めてから、対象を絞って利用します。

出典:IPA:AI利用者のためのセキュリティ豆知識

09

全員向けの手順書と、個人情報を分ける

同じ社内文書でも、最初の試行で扱う資料を選びます。

使える資料

最初に扱う候補

確認すること

全社員向けの追加モニター申請手順

文書所有者が利用を承認した最新版

対象から外す資料

最初の試行へ入れない資料

確認すること

社員の評価・給与の一覧

氏名や個別事情が入った問い合わせメール

文書を持っていることと、AIへ入力・共有してよいことは別に確認します。

説明するときの補足

左の文書でも無条件に入力できるわけではなく、選んだ環境と規程に照らして文書所有者が利用を承認します。右は、この試行では扱わないと決める具体例です。社内検索を連携する場合も、元の閲覧権限を超えて回答しないことを確認します。実際の分類と保管は会社のルールに合わせます。

出典:IPA:AI利用者のためのセキュリティ豆知識

10

まず5人で、2週間だけ試す

業務を絞り、送信前の確認を残したまま試します。

試行の進め方

資料と役割を決める
時期

始める前

承認済み手順書だけを用意。担当者が送信前に見る箇所を決める。

質問例で確かめる
時期

1週目

よくある質問と、条件が足りない質問を試し、回答と時間を記録する。

実務の一部で使う
時期

2週目

5人が回答案づくりに利用。修正や例外も残し、続けるか話し合う。

権限外の情報が出るなど重大な問題があれば、期限を待たず止めます。

説明するときの補足

5人・2週間は試行の規模を説明する例で、最適な人数や安全を証明する期間ではありません。最初は文書を限定し、自動送信やシステム変更を含めません。正しい根拠が選べるか、条件不足を確認に戻せるかを先に見ます。人の確認が形だけにならないよう、担当者が何を直したかも記録します。

11

試す質問には、答えがないものも入れる

すぐ答えられる質問だけでは、業務で困る場面を見落とします。

確認用の質問

質問

購入前に、どう申請する?

確認すること

フォームと所属長承認を示せるか。

質問

1万5千円なら認められる?

確認すること

未記載の金額上限を補わないか。

質問

先に買い、あとで申請してよい?

確認すること

旧版を使わず、現行の手順で答えるか。

質問

権限外の資料を見せてほしい

確認すること

情報を出さず、 担当者へ確認に戻せるか。

各質問で、回答・直した内容・所要時間を残します。平均点だけで決めません。

説明するときの補足

この4行は評価問題を作るときの出発点です。実際には自社で起きる例外や、過去に困った質問を加えます。答えられないときに正しく止まることも評価します。少数の問題で失敗が出なかったことは、未知の質問への安全保証にはなりません。質問例の根拠と正しい行動は業務責任者が確認します。

12

試行の結果で、続け方を変える

速くなったかと、安心して確認できるかを一緒に見ます。

結果ごとの判断

続ける

根拠と条件を確認できた。 確認・修正を含む処理時間も短くなった。

直して再度試す

回答案は使えるが、古い文書や特定の質問で手戻りが多い。

止める

権限外の情報が出る。誤りを確かめられない。 管理する責任者がいない。

利用範囲を広げる前に、文書の更新と失敗を確かめる時間を確保します。

説明するときの補足

続ける条件は処理時間だけではありません。根拠があるか、対象の条件が合うか、人が誤りを見つけて直せるかを確認します。問題が特定の文書に集中する場合は、まずその文書や対象範囲を直します。重大な情報上の問題は、原因と影響を管理者が確認し、再開を責任者が判断します。

13

社内へ出す提案を、1枚にまとめる

AIの導入全体ではなく、確かめたい業務を小さく申請します。

申請項目青葉サポートの記入例
対象と期間承認済み手順書を使う回答案づくり。5人で2週間。
人が行う確認根拠・対象条件を照合し、担当者が判断して送信する。
費用と担当外部支出8万円上限、社内10時間の仮定。業務責任者と管理者を置く。
次の判断回答の誤り、修正時間、情報の扱いを報告して、本運用を別途判断する。

金額・時間は説明用の仮定です。製品価格やC.eleganceの料金ではありません。

説明するときの補足

このページを複製して、実際の社内申請に必要な項目へ置き換えます。8万円は、仮に利用費3万円と設定・評価支援5万円を枠として考えた説明例で、特定製品の価格ではありません。検証の社内時間を別に確保し、本運用や対象拡大を自動承認としないことも伝えます。

14

この資料を、自社の説明に使う方法

同じ質問が繰り返される業務を一つ選び、13枚目を社内提案へ使います。

社内での使い方

実際の質問と、正しい根拠になる文書を1組用意する。

AIに任せる作業と、人が確認する箇所を書き出す。

小さな試行の期間・担当・費用・止める条件を申請する。

企業・規程・回答・時間・予算は架空の説明例。導入効果や安全性の保証ではありません。

説明するときの補足

始めるときは、この資料の規程や回答を自社の正しい文書へ置き換えます。法務や人事などの専門判断をAIへ移す話ではありません。IPAは利用者が情報を扱う際の注意点、NISTはAIを利用・評価するときのリスク管理の参考として参照しました。この資料は認証や法令適合を証明するものではありません。

出典:IPA:AI利用者のためのセキュリティ豆知識 / NIST:AI Risk Management Framework

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出典・補足

仕様の説明は以下の公式資料を参照しています。登場する会社、会話、数値は説明のための架空例です。

  1. Microsoft Learn:Document-level access control in Azure AI Search ↗

    文書の権限と、利用者に応じた検索結果の絞り込み。

  2. Microsoft Azure Architecture Center:Design and develop a RAG solution ↗

    資料を検索し、回答の根拠として渡すRAGの構成。

  3. Microsoft Learn:Retrieval-augmented generation evaluators ↗

    検索で得た材料と、回答が根拠に沿っているかを分けて評価する考え方。

  4. OpenAI Docs:Guardrails and human review ↗

    自動検証と人の承認の区別、操作によって影響が生まれるところでの検証。

  5. IPA:AI利用者のためのセキュリティ豆知識 ↗

    入力する情報の扱いや、検索で資料を補う生成AI利用についての基礎と注意点。

本文で使った言葉を確認する
RAG(ラグ)
質問に関係する資料を検索し、その内容をAIが回答するための材料として渡す構成。自動的に正しい回答を保証するものではありません。
閲覧権限
その人が、どの資料を読んでよいかという会社の設定やルール。
原本
内容を判断する基準として管理する資料。コピーや旧版と区別します。